業務システムが使いにくい理由とその解決策とは?①
なぜ、使いにくいの?
前任のシステム部長が音頭を取って10年前に導入した現在の業務システム。
社内の受注、発注の処理、社内承認申請、経費精算を一元的に管理しているが、営業が使うワークフローや経費申請、販売管理、顧客管理、在庫物流管理、見積作成、報告などはそれぞれの業務システムを利用している。どうも、以下のようなことが社内のさまざまなところで見られるようだ。
10年前のシステムはもう使えない
10年前の業務に沿って作られているので、今の業務に合っていないところが多く見受けられる。
モバイルPC、スマホ、タブレットから在庫照会や見積Noが取得できない。勤怠システムや日報の為に帰社しないといけないの?顧客別、商品別、地域別の販売実績や在庫状況をすぐに知りたいと顧客やパートナーから言われるんだけど、どうにかならない…?
業務とシステムは別モノ?
販売管理、ワークフロー、在庫管理、それぞれ別のシステムにログインして複数の画面を開きながら処理を行うけど、一つの業務に対していくつもシステムを使うのは勘弁してもらえないかなぁ。
Excelを駆使する…が。
顧客別の販売計画に在庫情報を組み合わせて…というシステムは社内にないので、自分のデスクトップにあるExcelで表を作成することにした。どうも課長は別のシートをつくっているらしい。部内では以前から使われている複雑なマクロの入ったExcelを使っているけど、それぞれのExcel間はデータを転記している。無駄だし、情報にタイムラグがある。一元化できないの?
使いにくいシステムを使っていると…。
今ではこうした状況が当たり前になってきているが、どうにも効率が悪いように思えるし、現場から具体的な要望も上がってきている。他にもいろいろと弊害があるのでは?一度きちんと洗い出さなければ。
業務効率の低下
まずは、自分の部署での業務でシステムをどうやって使っているかを洗い出してみよう。
はじめに以下のようなケースで考えてみた。
・お客様から引き合いがあった。現在の在庫状況を確認して納期を確認、それから見積書を提出する必要がある。
まずは見積番号を取得する為、案件シートを作成する。この時、新規ご契約のお客様なので、お客様番号を採番してもらわなければならない。
・営業部門からお客様登録のワークフローで業務部門に申請。
・業務部門で承認を得られたらお客様IDを採番して営業部門へ通知。
・営業部門で見積システムで見積番号を取得、この番号が案件番号になる。
・在庫状況を確認する為に在庫管理システムを開いて参照する。
・在庫システムから得られた商品ごとの納期情報を見積もりに記載、見積書を作成。
・見積書データをPDFファイルにしてメールに添付して送付。
こうした一連の作業に要した時間は約1時間。簡単な見積書だけなのに…?
二重入力・転記
ここでの問題点はなんだろう?
ひとつのデータを複数のシステムで利用する必要があり、二重で入力している。
・お客様ID
・見積番号
・商品情報
2回ずつ入力するのでコピーするが、ひとケタだけコピー漏れしたりペースト失敗したりするとエラーに。もう一度前のシステムを開き直してコピーして…、思いのほか時間がかかっている。
ExcelをPDF化してメールに添付??
Excelで作成した見積ファイルをPDFにして保存、暗号化して再度ファイル名をつけて保存。パスワードを付与してメールに添付して送付。同じファイル名の違いがたくさんつくられるけど、いいのかな。セキュリティ的には問題ない?
複雑化から抜け出せない?
今、営業の現場だけでも、ワークフロー、見積ツール、在庫管理、販売管理、顧客管理、日報、経費精算のシステムを利用しています。上司はExcelで管理していて売上見込みやコスト管理、顧客情報を把握しているらしいし、経理部門は会計システムを利用している。もっと簡単にならないものだろうか?