コラム

ノーコードとローコードの違いは?

2023/03/07

高生産性アプリケーション開発について、顧客や見込み客、ジャーナリストと話す際、私は彼らが時々「ローコード」と「ノーコード」という用語の違いに混乱していると感じることがあります。 それは驚くべきことではありません。高生産性 application Platform as a Service(aPaaS)の分野では、多くのベンダーがポジションを狙っています。 この2つの用語の本当の意味を示し、相違点を明確にし、どのプラットフォームタイプがどのタイプのプロジェクトに適しているかをお話します。

一見似ています…

ローコードとノーコード両方の開発プラットフォームは、コードを書かずにソフトウェアアプリケーションを開発する手段を提供します。 つまり、従来のプログラミング言語に関する知識を開発者に求めるのではなく、RAD(高速アプリケーション開発)のビジュアル開発アプローチを提供します。 この視覚的なアプローチにより、より多くの人、特にビジネス側の役割を担いつつ技術にも精通した人がアプリ開発に携わるようになります。開発者は必要な機能コンポーネントを画面上のライブラリから選択し、ビジュアルな開発エリアにドラッグアンドドロップして開発します。

ローコードやノーコードの開発プラットフォームは、プロフェッショナルな開発者も、プロフェッショナルでない開発者も、より効率的にアプリケーションを作成して生産性を向上させることを約束します。 そして、プラットフォームをサービスとして提供することにより(PaaS)、環境構築とインフラストラクチャを維持するためのオーバーヘッドを取り除きます。 これはかなり類似している点です。

しかし、実際は大きく異なります

ローコードとノーコードの両方がビジュアルモデリングのメリットを提供するためにコードを抽象化していますが、2つのアプローチで構築できるアプリケーションの規模と種類には根本的な違いがあります。

ノーコードアプリケーション開発ツールは、基本的な機能のユースケースを解決したいビジネスユーザーにとって最適です。 ノーコードプラットフォームは、1つの部署で使用する小さなアプリケーションを構築するのに適したシンプルなツールです。

しかし、ほとんどのノーコードツールは、構築したアプリケーションをうまく拡張できず、統合機能が非常に限られているという問題を抱えています。 ノーコードプラットフォームは、より広範なエンタープライズアーキテクチャーを考慮しておらず、たいていのノーコードプラットフォームで使用できる統合ツールは、専用のものであったり機能が限られている傾向があります。

簡単でシンプルなノーコード開発を部署で取り入れると、企業規模に拡大する際に次のような課題が生じます。

  • アーキテクチャーに関する考慮:部署ではアプリケーションアーキテクチャーに関する開発の経験がないため、一枚岩のアプリケーションアーキテクチャーというリスクが増加します。 ほとんどのノーコードプラットフォームでは、パブリッククラウドへの展開が必要で、プライベートクラウドまたはオンプレミス環境に展開する柔軟性はありません。
  • 拡張性:ノーコードプラットフォームは運用効率化のユースケースに注力しているため、ユーザーエクスペリエンスに重点を置くことができず、レガシーなシステムに接続できません。 サードパーティーのソリューションや自社製システムのカスタム統合をベンダーがサポートしていません。
  • ガバナンス:ノーコードツールを使用して構築されたアプリはスタンドアロンの性質があるため、データガバナンスは共通の課題です。 多くの場合、複数バージョンのものが組織全体に点在し、管理されていない様々なデータ構造や、管理されていないレベルのデータ品質が存在します (顧客記録管理とGDPRについて考えてみてください)。

一方、ローコードプラットフォームは、より幅広い企業IT組織のテクノロジーガバナンス要件とかなりシンクロする傾向があります。 拡張性のあるアーキテクチャ、再利用可能なオープンAPIを使用してプラットフォームの機能を拡張する機能、クラウド環境やオンプレミス環境にデプロイできる柔軟性を提供します。 開発者は、アプリケーションテスト、品質、パフォーマンスツールを使用してコントロールしながら、ノーコードのソリューションにもある高生産性の技術を組み込み、視覚的に開発をスピードアップすることができます。

ローコードプラットフォームは、はるかに洗練されたアプリケーション開発をサポートし、以下のような目的のために、より多くのユースケースを処理することができます:

  • 次世代の技術による革新的なユースケース。 多くのローコードプラットフォームには、技術的なリーダーによって構築された非常に包括的なコンポーネントライブラリが付属しており、AI、機械学習、ブロックチェーン、音声認識、顔認識サービスなどをオープンソースコミュニティで利用できるだけでなく、クラウドで提供されるサードパーティのスマートサービスを活用できます 。
  • ユーザーエクスペリエンスアプリケーションは、ユーザーフレンドリーで導入の最適化を支援するように設計され、コーポレートブランドの一貫性を保証する役割も果たします。
  • 部門と企業にまたがる、生産性や運用効率がアップするアプリケーション。
  • マイクロサービス、コンテナを使用したコンポーネントベースの開発、既存のミッションクリティカルなアプリケーションを継続的にリリースして新たなアーキテクチャを実現する、レガシーシステムの近代化。

あなたのビジネスに適したツールを決める

どちらを選択するか決める際に直面する課題は、複雑なユースケースをサポートするにはノーコード開発プラットフォームがあまりにも単純すぎると認識されており、プロフェッショナルでない開発者が使用するにはローコード開発プラットフォームは複雑すぎると考えられていることです。

ノーコードソリューションを導入する場合、大きなIT組織ではシャドーITと見なされます。 アプリケーションがビジネス側の開発者の能力を超えて成長したら、あなたはどうするでしょう? 選択肢は限られているので、効率化やコスト節約の選択肢は完全に消えてなくなるでしょう。 IT側の開発者がいないため、他社と契約するかコンサルに相談することになるでしょう。

ローコードソリューションを導入する場合、開発者は高速に開発できますが、ビジネス要件に対して正確なソリューションは提供されますか?ビジネス側がアプリケーション開発ライフサイクルの外にいるため、開発者がソリューションを改修する時に価値創造の時間が短縮されますか?要件に沿わない高速開発アプリを持っているビジネスのコストはいくらですか?

どちらを選択するか決めるにあたっては、技術だけではなく、それ以外のことも検討する必要があります。アプリケーション開発の戦略と同様に、ユーザーが実際に欲しており、必要とし、使いたい物であるかを考慮する必要があります。これは、熟練したIT開発者と、主要なビジネス側の専門家との連携を促進し、専門知識の統合を促進することにあります。アプリケーション開発の緊密なコラボレーションによってのみ、より大きくより洗練されたアプリケーションを効率的かつ正確に構築し、ビジネスの成果を最適化することができます。

ローコードまたはノーコードプラットフォームを検討する場合、ビジネス側とIT側の利益を達成するため、以下の質問を評価に含めてください。

翻訳元:

Understand No-Code and Low-Code Development Tools

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