コラム

ローコードプラットフォームとは?

2023/03/07

近ごろ、「ローコードプラットフォーム」という用語は、手作業のコーディングを必要とせずに、カスタムアプリケーションを素早く作成して動かすためのプラットフォームとして市場注目を集めはじめました

メディア、アナリスト、その他のリーダーが、これらのプラットフォーム独自の「ビジネス価値と市場へ投入する時間が短い」という利点を述べていることは素晴らしいです。
カスタムビジネスアプリケーションの需要が急増している今、従来のコードベースのアプローチでは、開発スピードを維持できないことは明らかです。

新しいカテゴリが登場する際によくある事ですが、ローコードプラットフォームとは何なのか、人々は混乱するかもしれません。
この記事では、他の開発方法との比較や、これらのプラットフォームの必要性がこれまで以上に高くなった理由を通じて、ローコードプラットフォームの重要な機能についてお話します。

ローコードプラットフォームとは何ですか?

最近のレポート「New Development Platforms Emerge For Customer-Facing Applications(顧客向けアプリケーションのための新しい開発プラットフォームの登場)」で、Forrester Researchはローコードプラットフォームを以下のように定義しています。
「手作業によるコーディングを最小限に抑え、人々の繋がりを強くするためのシステム(SoE)のための迅速なアプリケーション配信を可能にするプラットフォーム」

その簡潔な定義は素晴らしいですが、ローコードプラットフォームの3つの重要な要件について触れることも大切です。

1. ビジュアル開発ツール

手作業のコーディングを最小限にするために、ローコードプラットフォームは、より簡単で直感的なアプリケーションの作成方法が必要となります。
例えば、Mendixのモデル駆動型開発(MDD)では、データモデル、ロジック、ユーザーインターフェイスなどを定義するのにビジュアルモデルを使用しています。
このアプローチは、プロの開発者とビジネスユーザー(シチズンデベロッパー)の両方が、手作業のコーディングよりもずっと速くアプリケーションを作成することを可能にします。
たとえば、Capgeminiの分析によると、Javaの場合は10.6時間、C#の場合は15.5時間かかる機能を、MDDでは2.5時間で作成します。

2. App Store

 Template 、 Widget 、Plugin などのビジネスコンポーネントが提供される App Store を利用することで、ローコードプラットフォームは生産性をさらに加速することができます。
この方法により、ローコードでアプリを作成するということは、機能を作成するというよりも、既にある機能を「組み合わせて」いるように見えます。

3. 完全なアプリケーションライフサイクルサポート

ローコードプラットフォームという名前ですが、開発のみに焦点をあてたものではありません。
デザイン、ビルド、デプロイ、管理、反復など、アプリの配信ライフサイクルをサポートする総合的な環境を提供します。
つまり、ビジュアル開発ツールに加え、ソーシャルコラボレーション、プロジェクト管理、デプロイとアプリケーション監視、エンドユーザからのフィードバックなどの機能が一般的に含まれています。
特に導入の点では、手作業によりコーディングしたものをライフサイクルに沿ってアプリケーションをシームレスに移行する方法がない場合に比べると、ビジュアルモデルによる開発を市場投入するまでの時間は更に短縮します。

ローコード開発は、高生産性aPaaSやRADのような用語と似ていますか?

高生産性aPaaS(High-productivity aPaaS)はGartnerによって一般化された用語です。
アナリストは、これを「モデル駆動型のグラフィカルな開発環境」と定義し、通常、解釈実行するメタデータを生成します。
従来のプログラミングも可能ですが、アプリケーションの主要部分はグラフィカルに設計され、実行時に解釈されます。
結果的には、高生産性aPaaSとローコード開発の両方が、アプリの配信を高速化するためにプラットフォームからプログラムコードを除外します。

一方、高速アプリケーション開発(RAD)は、SearchSoftwareQualityによって、「ワークショップまたはグループで要件を収集することにより、製品をより迅速かつ高品質に開発する」と定義されています。
これには設計時のプロトタイプ作成、早期のユーザーテストによる反復、ソフトウェアコンポーネントの再利用などが含まれます。

これを念頭におくと、ローコードプラットフォームはRADの実現を容易にします。
MDDのような視覚的な開発ツールは、IT側とビジネス側との迅速で反復性のある共同設計を可能とし、プロトタイプを頻繁に共有してユーザーからのフィードバックを収集することで要件を洗練させることが出来ます。
またApp Storeを通じてアプリとコンポーネントを再利用することもできます。
よって、この2つの用語は非常に似ています。

ローコードプラットフォームのメリットは何ですか?

なぜローコードプラットフォームの採用が急増しているのかを理解するには、一歩踏み込んで大きな図を見ていく必要があります。
近年、あらゆるところで競争が発生しています。
業界参入の壁は非常に低く、新しい企業がどこからともなくやってきて、瞬く間に業界や産業を変えていきます。
そこで生き残り成功するためには、企業は絶えず自身を革新し、差別化する方法を見つけなければなりません。
物事をより良く、より速く、安くすることで新しい感覚で顧客に関わることができます。
これはすべて、アプリによって物事の一歩先を行くことで実現します。

カスタムアプリケーションの需要は今までになく高まっていますが、従来のコードベースの開発手法では、その需要と歩調を合わせることはできません。
ForresterのアナリストJohn Rymer氏は最近のMendixのWebinarで次のように述べています。

「コーディングだけに頼ると失敗するでしょう。それでは遅すぎます。あまりに柔軟性がなく…需要のスピードに追いつくことができないでしょう。」

ローコードプラットフォームの本来の価値は、IT側とビジネス側を一体化させ、よりすばやく反復的に共同開発を可能にすることです。
手作業のコーディングを必要とせずに、アプリケーションをすばやく作成し、シームレスに展開し、また簡単に変更できます。

さらに、これらのプラットフォームは、ビジネス側とIT側のステークホルダーを調和させる優れたコミュニケーション機能も提供し、ソフトウェア品質の向上とビジネス成果の向上を実現します。

企業がアプリケーションをより早く提供する方法を必要としていることは明らかです。
また、ローコードプラットフォームは、その悩みを解決するのに必要なものを提供します。

ITおよびビジネスリーダーにとっては、プラットフォームを慎重に評価し、現在と将来のビジネス価値を最大限に引き出すアプローチを選択することが重要です。

翻訳元:https://www.mendix.com/blog/low-code-development-answers-business-needs/

※このBlogはMendix社が作成してビルドシステムが翻訳したものです。

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