2018.10.23Mendixで課題解決 , デジタルトランスフォーメーション

成功した企業でさえイノベーションに失敗するのはなぜか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Greg Satell
2018年4月20日

A社は1892年に設立され、その後アメリカ最大の企業の1つとなりました。

同社を成功に導いたのは1つのアイデアや商品だけではなく、写真印画紙、開発、画像処理など、常に新しい進歩の先駆けとなっていたことでした。 そして1975年、大企業としての崩壊につながるデジタルカメラを発明しました。

問題は、A社がその可能性を理解していなかったということではなく、それまでの経営モデルに固執してしまった事でした。既存の商品があまりにも巨大で収益性が高かった為、他のほとんどのチャンスは比較できない程小さいと思ってしまったのです。 A社は極端なケースですが、他の多くの企業も同様の理由で新しい市場で失敗し、イノベーションとそれまでの経営のギャップを埋めることはできません。

 

3つの領域でのイノベーションを見る

イノベーションは決して1つのアイディアでも1つの出来事でもありません。実際、最初の発見から市場へ影響するまでには通常30年ほどかかります(デジタル写真の場合はほぼ正確に30年かかりました)。ですから、適切に理解するためには、複数の次元でイノベーションを検討する必要があります。

私が自分の著書「Mapping Innovation」で説明した有用なフレームワークの1つは、現在の市場と能力がどのように関係しているかに基づいてチャンスをグループ化する3つの領域モデルです。第1の領域は企業の現在の活動、第2の領域は隣接している企業の活動、第3の領域は全く新しい活動、それぞれに焦点を当てています。

3つの領域は、大きく異なる視点を必要とします。第1の領域は伝統的な戦略によく似ており、健全な分析と実行に恩恵を与えます。第2の領域はより不確実であり、不確実性を解消するためにはいくつかの反復が必要です。第3の領域は、探索や、未知のものに大胆に突撃する意欲に大きく依存しています。

多くの企業が陥る罠は、1つの領域で卓越するものが他の領域でも卓越すると勘違いしてしまうことです。例えば、A社は第1の領域では秀でていましたが、デジタル写真が市場を再構成するにつれて、新しい市場を反復して探索することに失敗しました。

 

損益計算書の罠に陥る

A社はユニークな収益を上げていました。画像処理のイノベーションに費やした数十年の歴史の中で、写真を開発する市場を徹底的に圧倒しました。これは非常に大きな利益を生みました。毎日、何百万人もの人が小売店へ訪れ現像し、一定の収入源を作り出しました。

それと比較して、デジタル写真のビジネスは衰退しました。A社がこの技術を無視したわけではありません。カメラ、プリンタ、ソフトウェアのラインナップはトップセラーでしたが、新しい収益は画像処理事業に取って代わるものではありませんでした。

すべての成功したビジネスは、最終的に同じジレンマに直面します。第2および第3の領域のチャンスは、第1の領域のイノベーションと比べると最初はほとんど利益がありません。したがって、不確実なチャンスに投資するのではなく、定量化できる市場と能力に集中することを選び、安易に損益計算書の罠に陥ってしまうのです。

どんなに良い企業でも、第1の領域のチャンスのみに焦点を当てることによって行き詰まり、人々の関心が低くなる分野から出られなくなります。それがA社で起こりました。彼らは写真を開発する市場では支配的でしたが、その市場は消えていました。それは差し迫った危機でした。

 

“Hair On Fire”ユースケースの特定

確立されたビジネスが第2および第3の領域のチャンスを追求する際のもう一つの問題は、伝統的なビジネスロジックが頭の中で反転してしまうことです。従来の第1の領域の製品を立ち上げる際には、可能な限り最大限の獲得可能な市場を探して、投資収益率を最大限に引き出すことができます。

しかし、顧客のニーズを理解していないと、物事が不確実な第2および第3の領域では、大惨事を引き起こす可能性があります。役員会議で市場分析をしているときには合理的に思えるかもしれませんが、実際の顧客と市場の現実に突き当たると、完全に失敗することがよくあります。

これは、「眼鏡をかけるだけで完全にハンズフリーのコンピューティングエクスペリエンスを提供できる」と、流行に敏感な人のための拡張現実デバイスとして2014年に大きな盛り上がりを見せたGoogle Glassで起こったことです。それはあまりにも粗拙だったため、人々は製品を購入した人たちを”glassholes.”(Google Glassを着用し、周りの人に恐れを抱かせたり失礼な態度をとる人)と呼び始めました。

しかし現在、Google Glassは職場環境での専門家を支援する産業機器として注目を集めています。工場のフロアから手術室まで、この製品は生産性、安全性、文書化手順の改善に効果的であることが証明されており、Google Glassをサポートするための素晴らしいエコシステムが形成されています。

あなたが本当に新しくて差別化する製品を開発するなら、大きな市場ではなく、顧客が製品を非常に悪いと思う”Hair On Fire”のケースを必要とすることがあります。そのため、あなたは大勢ではなく小数の人のために構築する必要があります。足場を確立したら、そこからビジネスを拡大することができます。

 

良い経営はしばしばイノベーションの失敗につながる

競争の激しい市場で事業を経営するには、効果的な計画を立てなければなりません。適切な人材を適切な人数雇用し、物的資本、設備、マーケティングに投資する必要があります。あなたの見積もりが外れると、過剰に資金を浪費したり、需要を満たすことができないため売上を逃したりします。

しかし、この考え方はしばしばイノベーションを妨げます。次に起こる大きなことは、初めはまったく何も起こっていないように見えます。したがって、あなたが完全に理解していない状態でビジネスの財務目標を設定することによって、第2、第3の領域のチャンスが、第1の領域の考え方によって縮小してしまうのです。誠意をもって行っているにもかかわらず、損益計算書の罠に陥るのです。

多くの企業が、IBM Research、Google X、General ElectricのFirst Buildイノベーションラボのような部門を創設し、事業部門とは別にチャンスを追求しています。失敗する確率は、通常のビジネスで許容されるよりもはるかに高い傾向にありますが、その成功はそれらを相殺する以上になる傾向があります。

すべてのビジネスは最終的には終焉するのですから、現在のビジネスを超えて新しい視野を探ることが不可欠なのです。

この記事はDigitalTontoに掲載されました。

 

翻訳元:

Here’s Why Even Successful Companies Find It Hard To Innovate In New Markets

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

このエントリーにコメントする

必須項目は全て入力してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)