インタビュー

第4回:Lazar Cirkovic(ラザー・チルコヴィッチ)

営業チーム コンサルタント
・ロンドン生まれ ロンドン育ち
・マンチェスター大学 機械工学技術専攻
・イギリスおよびスコットランドでスタートアップ数社のITインフラ整備やショールームデザイン、3Dデザイン、マーケティング業務等に従事
・2017年 来日 、日本のIT企業に入社
 ▶︎大手法人のITサポート業務を通じて日本企業におけるIT活用ノウハウを修得
・2019年 ビルドシステムに入社
 ▶︎Mendix技術者としてMendix社とのパイプ役を務めるとともに、導入顧客の技術サポートや教育・マーケティング業務に従事

ロンドン生まれ・ロンドン育ちなのにカードゲーム好き・日本好きが嵩じてコネなし&単身で来日。今は技術コンサルタント、マーケティング担当としてMendixビジネスの最前線で活躍するラザー・チルコヴィッチに、その思いをインタビューしました。

─経歴や来日のきっかけなどを教えてください。

幼い頃のLazar Cirkovic(ラザー・チルコヴィッチ)

もともと幼い頃からアニメ好き、日本のカードゲーム好きで、日本の文化にとても興味がありました。

テクノロジー、特にロボティクス、など、世界に誇るクールな技術や文化を持つ日本は私にとって憧れの国で、いつか必ず日本に行って働きたい、というのが中学生くらいからの夢でした。

テクノロジーを学ぶためにマンチェスター大学に入って機械工学技術を専攻し、メカだけでなくエレクトロニクス、情報工学なども広く学びました。

大学卒業後は、日本に行くための準備として、自分の価値を高めるためにスタートアップ企業での経験を積みたいと思い、まずはイギリスで働くことにしました。

ちょうど親友がイギリスで車の販売のスタートアップを起業したので、そこでITやマーケティングの仕事をしました。普通にリーフレット作って配るみたいなやり方だと面白くないので、スタートアップらしくTシャツを作って皆で着て街でアピールするなど、実験的なゲリラマーケティングなども色々経験しました。

そこでは立ち上げたばかりで給料もろくに出なかったので、ライフガードのバイトなどでしのいだのも良い思い出です(笑)。

その後スコットランドのグラスゴーの会社で、飛行機チケットの販売サイト構築などを手掛けました。そこはGoogleのオフィスのようにゲームルームがあったり、冷蔵庫があったり、フリーでランチを食べられたり、など、とてもスタートアップらしい雰囲気の会社で、色々な経験をさせてもらえました。

その後Banham Security というドアロックやアラームシステムなどセキュリティ商品の老舗会社に入り、IT担当としてサーバルームのセットアップ、デモビデオの制作やベルボックスの3Dデザインなどの仕事をしましたが、わりとありきたりな仕事で、正直あまり面白いとは思えませんでした。

私としてはもっと色々なテクノロジーにトライしてみたかったので、それならいっそもう当初の願いだった日本に行ってしまおう、今こそ絶対に日本に行くタイミングだ、と感じたのが来日のきっかけです。

─日本での就職はどのように?

日本の企業には全くコネクションがなかったので、まず日本の知人Sさんを頼って来日しました。

Sさんは、私にとって言わば「日本のお母さん」のようにお世話になっている方ですが、まず彼女に言葉を教えていただきながら、仕事を探しました。ろくに日本語もしゃべれない、コネクションもない当時の私では英語の先生くらいしかない、と言われたのですが、それは嫌だとわがままを言い、しばらく苦労をおかけしました。

そんな時、あるIT会社社長のKさんに出会い、試験をパスしてこれまでのスタートアップやIT関連の経験を活かせそうな仕事を紹介していただきました。派遣社員として大手法人のITインフラサポートやネットワーク関連の仕事などに就かせていただき、色々日本でのビジネス経験を積むことができました。

─ビルドシステムとの出会いは?

髪の長いLazar Cirkovic(ラザー・チルコヴィッチ)

たまたまSさん、Kさんと共通のお知り合いを通じてMendix、そしてビルドシステムの今の上司Xさんとご縁ができました。ちなみにXさんと初めてお会いした時、私は髪が肩くらいまであってかなり怪しい風貌をしていて、これでは正式面接では絶対怪しまれると思いすっきりショートにして面接に臨んだのですが、Xさんに開口一番「あの髪型面白かったのに何で切ったの?」と驚かれました。とても懐の深い方です(笑)。

技術のことがわかって、英語が喋れて、人とコミュニケーションが取れる人材、ということで、無事ビルドシステムに採用いただき、今に至ります。

─ビルドシステムでのミッションは?

入社してすぐにMendixの技術習得コースを受講し、Mendixプラットフォームに関する技術を学びました。コースはすべて英語でしたし、ITプログラミング経験もあったので、技術は比較的早く修得できました。

現時点(2021年9月)で入社2年目になりますが、Mendix社のキーマンとのパイプ役を務めつつ、技術コンサルタントとして活動しています。技術サポート担当としてお客様向けのコアなPoC開発やMendixの技術的な質問への回答などを行うほか、教育コースの整備、Webサイトを通じたマーケティングなどを担当しています。

─印象に残っている仕事は?

入社して間もない頃、上司が休暇で1週間ほど不在にしている間に、超大手企業から引き合いの電話にたまたま私が出たことがありました。「MendixでPoC開発を依頼したいが、リソースはあるか?」という問合せでした。

イギリスでは「リソースがあるか?」というのは「そういう人が存在するか?」、という意味なので私は「リソースはあります」と答えました。でも日本では、「その時期にそういう人を出せるか?」という意味なんですね…

上司の上司に相談したところ、その時期デベロッパーさんから出せる開発要員はいませんでした…

さあ、大変なことになりました … 「リソースはある」と答えてしまった以上、やるしかありません。

こうなったら自分でPoCを作るしかない、と腹をくくり、必死に勉強&トライした結果、何とか1週間で依頼通りのPoCを完成させることができました。

この経験のおかげで根性もMendixアプリを作るスキルも随分向上しましたね。

─今ホットな仕事は?

Mendixの開発をやりたい人や技術問い合わせが急速に増えていますので、教育コースであるハンズオンセミナーやイントロダクションコースの整備を急ピッチで進めています。

Mendixの技術者向けのセミナー、質問への対応、回答も普及するにつれ技術的に高度な質問や難しい問題が発生することも増えてきていますので、Mendix社の開発スペシャリストと連携して解決にあたっています。

Mendixスペシャリストとの関係ネットワークを持っていて、発生した問題に関連する情報を誰が知っているか、どこに情報が載っているかを把握していて、適切なスペシャリストとすぐにコンタクトできるのが当社の強みですね。

その他、先日ビルドシステムとしてMendixの専門サイトを大幅にリニューアルしました。

今までのサイトでも結構たくさんの方が見に来てくれていたのですが、バウンスレートが低く、Webサイトからあまり問合せに繋がっていなかったのです。そこでWebマーケティングとUI/UXのスペシャリストの会社さんと一緒に全面的に構成を見直すとともに、情報発信力を大幅に強化しました。

つい先日行われたMendix Worldのレポートなどホットな情報をはじめ、オーディエンスが興味のありそうな面白いネタを見つけて記事としてタイムリーに情報発信しています。今ではアクセス数もかなり向上し、有望なリードがどんどん増えつつあります。今後はさらにメールマガジンやマーケティングツールの活用を通じてキャッチアップ力をもっと強化して、お客様のニーズに応えていきたいと考えています。

─Mendixの可能性と将来について

ローコードツールは注目されつつありますが、特に日本の市場ではまだまだちゃんと理解されているとは言えない状況と思います。

ローコードツールの中でもMendixはとても優れたツールだと思います。
Javaなどスクラッチで作るのに比べれば、開発スピードは圧倒的です。
テンプレートやビジネスケースが多く用意されていますし、UI/UXもわかりやすい。
機能も日々進化していて、AIやマニファクチュアリングなどの機能も装備されつつあります。

Javaだと1年かかるようなシステムがMendixだと感覚的には1-3ヶ月で作れてしまうくらいホントに早い。一説には開発スピードが平均40%アップと言われていますが、感覚的にはもっと早くて70%くらいアップしてるんじゃないでしょうか。

Mendixはそんな優れたツールですが、ヨーロッパ、アメリカではようやく知名度も上がってきたものの、日本ではまだまだローコードツール自体があまり知られていない。いわばまだまだ未熟な赤ちゃんのステージです。

こんな素晴らしいツールが、企業のDX推進者や若い開発者に知られていないというのは、とてももったいない話です。

つい先日Mendix Basicというライセンスが発表され、以前より気軽にかつ安価にMendixプラットフォームを導入できるようになりました。導入のハードルが下がったことで、世界規模でスタートアップ達がMendixに注目してくるだろうと思います。

これによって新たなアイデアやビジネスオポチュニティが生まれ、企業はより迅速にDXを推進しやすくなっていくでしょう。Mendixアプリの世界的な流通網も構築され、世界規模で様々な開発ベンダや業界がジョインしてくると予想されます。

アメリカの大学では既にローコードツールのコースを提供しているところもあり、若いエンジニア達にとって馴染み深いツールになりつつあります。日本でも大学などのIT教育でごく普通にJavaやC++、Pythonなどが開発エンジニアのスキルとして語られるように、Mendixも同列で語られるくらいに普及すれば、日本のIT業界も変わっていくかもしれません。

当社は日本を代表するMendixのソリューションプロバイダとして、さらに日本でのブランド強化と普及に貢献していきたいと考えています。

─自身のこれからの夢について

小さいころからテクノロジーの進化にすごく興味がありました。
大学時代からドローンにも関心があって、特殊な新しいドローンのアイデアを考えたりもしていました。

Mendixもごく最近のテクノロジーですが、あるテクノロジーがこれまで誰も想像しなかったような新たな市場を生み出し、さらなる別のテクノロジーと結びついて人のライフスタイルを変えていく、というダイナミズムが生まれるような仕事をしていくのが私の生きがいです。

新しいテクノロジーが好き、日本が好き、で私はビルドシステムに来ましたが、ここではたくさんの日本のビジネスや文化や魅力的な人達に出会い、イギリスだとチャレンジできなかったようなことにも取り組むことができます。日本は安全だし、人は皆優しいし、暮らしていて素晴らしい!と思う瞬間がたくさんあります。

これからも自分の中で高いゴールを描いて、仲間や仕事でかかわる人たちのハッピーとともに自分もハッピーな人生を送れるよう、生きがいのために色々なことにチャレンジしていきたいと思います。

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