インタビュー

第2回:海老澤 千恵(えびさわ ちえ)

開発2部1グループ グループリーダー
・2001年 ビルドシステムに新卒入社
 ▶︎医療システム開発部で病院向け調剤支援システム、薬局向け服薬指導支援システムの開発に従事
・2015年 2度の産休後、OutSystems Platform のシステム開発に従事
・2016年 Mendix 事業の立ち上げに参画
・2017年 アルバイト管理システムのリプレイスに企画工程から参画
・2019年 その他事業システムにマネージメント担当として従事。
 ▶︎顧客と開発側とをつなぐ作業をメインとした上流工程を担当

※ペットの写真を載せています。

─近年のプロジェクトにおいて最も大事なポイントと思うところを語ってください。

ゴールを明確にして適切な計画、見通しを立てること、すなわち「プランニング」だと思います。

個人的な見解ですが、昔は、ウォーターフォールでしっかり要件定義した機能に対して、設計、実装、テストなどスケジュールをかっちり決め、最初に設定したゴールに向けて進むイメージがありました。

近年では、素早い初動や道半ばで正しい方向に軌道修正しながら進められるメリットから、アジャイルやスクラム開発など短期的なゴールが設定される開発手法が主流となっていますが、これらの手法においても、プランニングがしっかりしていないと皆がゴールを見失う危険性を孕んでいると感じています。

見た目が美しくても1クリックで数時間帰ってこないシステムは使えません。
処理速度が早くても、運用ステップに即していなければ、結局現場に使ってもらえません。
見た目も速度も完璧なものを作るには、期間と技術力を要します。

それらを実現できる体制があっても、要件がなければ開発を進めることはできません。

当たり前なことなのですが、
システムを依頼された方の目的、何を優先して、いつまでに、どのようなゴールを求めているのか。
それを前提として、諸条件を加味した長期的・短期的な「プランニング」のもと、適切に役割分担して、関係者とゴールを合意してプロジェクトを進めていくことが肝要だと感じています。

─ローコードツールの意義、利点、活用ポイントは?

簡単な機能であれば、具体的に動くものをより早く作成できる、という点がローコードの利点だと思います。
マスタメンテ画面のような簡単な機能であれば、本当に短時間で作成することができます。

まずはあらかじめローコードツールが提供している簡単な機能を組み合わせて作成して、お試し利用いただく、それを繰り返してシステムを広げていくことができます。

静止画面のイメージをお見せしながら手順を説明するやり方ではあまり反応のないお客様でも、実際に動くものを使っていただくと、こう使いたい、ああしたい、といった現場に即した要望がでてきやすいので、要件を引き出すフェーズにおいても有効に活用できます。

ユーザーにスプリントレビューのタイミングで動作をご確認いただき、そのフィードバックをさらに次のスプリントに反映する、といったように、短期的な期間毎に少しずつ改善していくスクラム開発のような開発手法では特に役立つと思います。

─ローコードツールを使う上での注意点とは?

ローコードツールは動くものを見てから考えましょう!というスタンスに向いているツールではありますが、そこから出していただいた要件の内容によっては、実現するためのプロセスがとても大変になるケースもあります。

簡単な機能の作成は得意としている反面、難しい処理や複雑な描画なの実装は苦手としています。ローコードツールの使い方を理解した技術力や知見のある方が作れば、多少複雑な機能は実現できますが、限界もあります。

システム化の目的と、業務を理解されている方からの要件、現場利用者からの要望、運用視点での利用可否など様々な条件を加味した上で、ローコードツールの機能範囲で技術的に実現できる最善の策を検討し進めることがポイントです。ケースによっては、ローコード以外の技術を導入し連携していくことも視野に入れて進めていく必要があります。

例えば、ラーメンを食べたい!という方に、まず3分でできるカップ麺 しょうゆ味 を提供したとします。

食べてみて、「ネギ追加して!」ならすぐ対応できますが、「味玉とチャーシューとノリとアワビをトッピングして、スープは豚骨に変えて!」と言われました場合、そもそも味玉やチャーシューを作れるのか、豚骨スープを作るのにかかる時間や、具材の調達可否、増えるコスト、など多くのことを検討せねばなりません。

本当に全部やりますか?の確認から、一部の具材やスープは外注する?など多くの調整が必要になります。

安易に進めると当初ラーメンしょうゆ味のつもりだったのが、数年かけて最高の豚骨ラーメンを淘汰しながら作り込むことにもなりかねません。最初から豚骨ラーメンを買ったほうが早く、安く入手できる可能性もあります。

ここでも大事になるのは「プランニング」だと思います。

ローコードの利点を生かせる案件かどうか、どう活用していくか、見極めてご利用いただいたほうが良いと思います。

─他ツールと比べたMendixの強みは?

Mendixの強みは、何といっても「初動の速さ」だと思います。試してみようと思ったら、Mendixにサインインして、自分のPCにモデラーをインストールするだけで使い始められます。

他ツールの場合はインフラを準備する必要があったり、契約から使い始めるまでに時間がかかったりするケースもありましたが、Mendixの場合はそれらを全く気にせずすぐに始められるのは大きな強みだと思います。

スクラム開発用の各種機能(ストーリー・タスクの設定、スプリント毎のチャート・タスクかんばん表示)を備えているのも魅力の一つだと思います。

─ご自身のスキルと強みについて

私は、Mendix実装の経験値をもとに、経営・現場・開発など異なる目線の中で、開発者とお客様間の連携を図り、全員が目指すべきゴールを見える化してプロジェクトを進めてきた経験が多くあります。

当社にはMendixの技術的に優れたエンジニアが多数在籍していますが、Mendixを活かしてよりよいシステムを作っていくためには、彼らとお客様の間でしっかりとゴールを共有し、そこに向かってプロジェクト全体を「プランニング」するポジションが不可欠です。それを多数経験していることが、私自身の強みだと思います。

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